セックスミュージアムができるまで

セックスミュージアム設立準備委員会ブログ

セックスミュージアム設立準備委員会ブログ。
性の研究を社会に還元する博物館を通じて性の健康を享受する社会を目指しています。 Committee for Preparation of SEX MUSEUM JAPAN

カテゴリ: SEEX

こんにちは、イロタカです。
新年初めての投稿になります。どうぞ今年もよろしくお願いします。

SEEX報告をそろそろ他のだれかに頼みたいですね…セックスミュージアム設立準備委員会は現在人手不足に陥っております(イロタカ以外にもメンバーはいます)。
他にもあらゆる仕事がございます、活動に興味がある方のご応募お待ちしております。

さて、去年の10月の性を探求する場性を探究する場SEEX 12は、映画「春画と日本人」鑑賞会を実施しました。日本初開催だった春画展の裏側に迫る映画を鑑賞し、セックスミュージアムの未来を語り合うという内容でした。


■21万人が熱狂した「春画展」
 
 日本初の大規模な春画展が、2015年9月、東京の小さな私立博物館「永青文庫」で開幕した。国内外で秘蔵されてきた貴重な春画約120点を一堂に集めて展示する画期的な試み。それまで年間2万人の来館者だった永青文庫に、3ヶ月の会期中に21万人が押し寄せた。女性来館者55%、5人に1人が図録を購入するという異例の記録を打ち立て、美術界の話題をさらった。
 開催までの道のりは困難を極めた。当初は、ロンドンの大英博物館で成功を収めた「春画展」の日本巡回展として企画されたが、東京国立博物館をはじめ国内の公私立博物館20館へ打診しても不調に終わった。海外で美術品として高く評価されている春画の展示が、なぜお膝元の日本ではすんなりと成立せず、小規模な私立博物館での開催となったのか。なぜ21万人もの熱狂的な観覧者が訪れたのか。映画は、展覧会を成功に導いた人々とともに「春画と日本人」をめぐる謎に迫っていく。(公式サイトより引用)

春画展の図録。辞書のように厚い。


私もセックスミュージアムを作ろうなんて考えが全くなかったころにこの春画展を訪れたのですが、入場するのに1時間近くかかり、入ってからも牛歩の歩みでした。日本最大級の変態イベントであるデパートメントHについて後ろのお客さんが話していて、日本中の変態が終結したのだろうかと思ったのを覚えています笑

購入した図録を友人とわいわい眺め、その後も思い出しては見返していました。
そしてこの図録を眺めているうちに春画作家から名前をいただくことを思いつき、つけたのがイロタカという名前です。歌川広重が歌川色重と春画を描くときに名乗っていたことを知り、色豊(イロタカ)としました。(この図録には歌川は出ていなかったと思います。本当は葛飾北斎の方が有名そうなので彼の春画作家名を取ろうとしたのですが、「てつぼうぬらぬら」だったのでやめました。まんこぬるぬるだと博物館の説得力がなくなりそうでしたので…)

歴史的な企画展であっただけでなく、個人的にも大きな影響を受けた企画展でした。

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上演会場ポレポレ東中野に貼られていた「春画と日本人」のポスター

■進んでは立ち消える開催場所の確保とセックスミュージアムの運命

セックスミュージアム案が浮上したころ、やはり図録に記載されていた開催場所確保の困難の話がとても気になっていました。春画展の成功があるからどうにかなるんじゃないかという期待と、大英博物館の巡回展として始まった春画展でさえこれほどまでに場所が見つからなかったというのにセックスミュージアムなんて到底無理じゃないかという思い。

映画では、話がうまく進むのに、最後の最後にGOサインが出ないという事態がひたすら繰り返されていたと証言者たちが語っていました。誰もが春画展に理解を示しながらも、最後の最後にリスクを恐れて取りやめる。私は最初から断られてばかりだと思っていたので、この期待が裏切られる過程に内心悲鳴を上げていました。そして、このときセックスミュージアムとして挑戦していた東京都主催のビジネスコンテスト、Tokyo Startup Gatewayの落選を予感したのでした(映画鑑賞1週間後にセミファイナル落選通知が来たのでした)。がんばろう・・・


■「春画と日本人」を見に行こう!

今回春画展の裏側を特集した映画ができたということを知り、これは見ておかなくてはと思い、SEEXでの対象としました。平日18時上映に来られる参加者はおらず、初めて参加者0名となりましたのでディスカッションの場は設けられませんでしたが、私は見られて本当に良かったです。まだ上映していますのでみなさまぜひご覧ください。

春画と日本人 公式サイト 
https://www.shungamovie.com/

こんにちは、イロタカです。
スケジュールが立て込み、すっかり更新が遅れてしまいました。
今年中に今年の内容は更新しますので、読んでいただけると嬉しいです

8月の性を探求する場性を探究する場SEEX 10は、カストリ書房見学を実施しました。


■カストリ書房とは
遊廓・赤線・歓楽街といった遊里史に関する文献資料を専門に販売する書店。
それまで幻とされてきた『全国女性街ガイド』の発掘・復刻や、新刊として全国の旧遊廓・赤線地帯の街景と室内を撮影した写真集『遊廓 紅燈の街区』を個人制作されるなど、取材から販売までを手掛けていらっしゃいます。
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カストリ書房入口。看板に赴きあり。


「…私が好んで止まない「遊廓・赤線」というテーマに対して、私ができ得る(かもしれない)最大の貢献として、調査にとって有用となる文献の発掘と復刻をすることにしました。個人単位では到底さばききれない調査対象数があり、研究者でもなく研究組織に属さない自分では組織化も難しい。ならば、自分が有用な文献を復刻し、それを届ける。文献を手に入れた方達が、これまで以上の調査が可能になることを期待しました。(なによりもこれまで以上に「楽しい調査」となることを期待しています)」(カストリ書房公式サイトより引用)
 
セックスミュージアム設立準備員会は現在、SEEXという機会を通じて日本にある性に関する資料展示の現状を調査していますが、資料保存の大変さを分かっているだけにこの文章を読むだけで胸が詰まります…尊い…(イロタカ個人の見解です)。
資料室見学を中心にいろいろお話を伺ってまいりました。



■吉原遊郭をめぐるガイドツアー
いつものSEEXの前に、カストリ書房さんが実施されている吉原遊廓をめぐるガイドツアーに参加しました。一見普通の風俗街に見える吉原を、カストリ書房の店主である渡辺豪さんが吉原遊廓の痕跡を紹介するツアーです。

【吉原遊廓】日本唯一の遊廓専門書店長と歩くディープ街歩き 割引券付!


何も考えなければ素通りしてしまう、小さな痕跡を丁寧に読み解いていく渡辺さんの言葉に、見えている世界が変わっていきました。
不自然な段差や、何気なくある交番に理由があるなんて。吉原の地域そのものが、渡辺さんの言葉によって展示物に変わっていくのを感じて、内心はしゃぎっぱなしでした。

気になったことを質問すると渡辺さんからより多くの情報を聞き出すことができ、何でもかんでも聞きたくなってしまいました。どこまでこの方は探求されているのだろう…
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何気ない段差に理由があることが分かると、小さなことがすべて気になりだします。


ツアーの後、カストリ書房内を見学させていただきつつ、店主の渡辺豪さんにお話を伺いました。




■カストリ書房の本の収集方法と本屋である理由

本来、本は情報を残すためにつくられたものですが、同時に最大の欠点は「パッケージングされたプロダクトとしての情報である」ということです。情報と人との関係は1対1で、販売した数と情報伝達できた数はイコールにしかなりません。

私は多くの人に遊廓の情報を伝えたくて、本屋という業態を選びましたが、自分で情報を収集していくうちに、遊廓に関連する情報は必ずしも書店や図書館にないことも多いという事実が分かってしました。

現代の図書館は、新刊発売された書店流通する本を逐次、収集、そして所蔵していく収蔵方法を取っているため、基本的に図書館の本は本屋に流通するものと同じになります。

しかし遊廓関連の情報は、各地方の団体の会報誌や組合誌、あるいは地方都市にある飲食店に配布されるミニコミ誌などに記述されていることも少なくなく、東京など中央の出版社がつくったマスをターゲットとする「広く浅い」本などよりも、関係者や地元エリアで流通する本にこそ「狭く深い」情報が含まれていることも、実は多いんです。

優れた文献のセオリーに、良い文献ほど良い文献を参照している、というのがあります。書き手の用いた資料を遡って、一次資料まで辿りつく、そこから新しい知見を見出すことが、どの研究にとっても大切な手法の一つだと思っています。

しかし、本屋という業態でそれは実現できません。先程挙げたような書店流通しない本は市場在庫も少ないため、入手そのものが困難です。運よく入手できたとしても、販売してしまえば、次に欲しい人が現れても売ることができない。冒頭述べたように、1対1の関係性にある以上は、情報がスケールしないんですね。

また利益面からも同じことが言えます。古書店などに高価な本が並んでいることがありますが、あれは市場在庫が少ないから高価であるわけですが、在庫が少ないということは、いくら高い値付けをしたところで、自店舗の在庫が1点ならば、「価格×1」にしかならず、利益は小さい。10万円の本を1冊売るよりも、1,000円の本を200冊売る方がいい。200冊売れるくらいの本なら、増刷してさらにスケールさせることができる。これも古書店というビジネスモデルの欠点だと思います。

そこで、書店に資料室エリアを併設することを考えました。書店エリアは新刊・古書店流通する本を販売する。資料室エリアは市場在庫の少ない貴重な本を並べて閲覧サービスとする。閲覧によって対価が発生するので、1冊の本で何万回でも利益を生むことができますし、また「売り切れなので資料が手に入らなかった」という不便をなくせる。情報とマネタイズが1対多の関係になる。
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カストリ書房には貸ギャラリーもあります。本屋の形態にとらわれていないようです。


■貧弱になりつつある遊廓のイメージ

ある物事の時間が経つほど、引き出せるイメージが固定されていくのは仕方がないことですが、遊廓も同じような傾向があって、「遊廓」と聞くと多くの人は、江戸時代をイメージする。言い換えると、江戸時代しかイメージできない。

遊廓というのは、全国規模で見ると明治の終わりから大正の初めくらいが産業としては最盛期だったのです。30年ほど前の世代にとって、その事は当り前に分かっていて、明治を時代背景とした創作も多かった。例えば、五社英雄の『吉原炎上』(1987)です。あれを江戸自体の話として勘違いしている人も多いですが。


現代の遊廓のイメージを作り上げた「吉原炎上」は明治時代が舞台の作品。


わずか四半世紀程度で、物事のイメージが狭まって、固定化されてしまうことも珍しくない。それは誰のせいでも無いのですが、一つ言えるのは、関連する情報をしっかり残してこなかった、残していてもアクセスできえるように整えておかなかったのが原因である、とは言えると思います。引いては、性に関する情報も同じことが言えると思います。

いま誰もが体感的に理解できていても、わずかな時間で誰もが分からなくなってしまうことがおき得る。誰もが分かっているからこそ、「残そう」という意志も生まれない。



■カストリ書房の目指す方向性

先程のお話とかぶるのですが、情報の大切な部分、コアな部分を突きつめつつ、情報を伝達するために新しく興味を持つ人をどう増やすか、興味持ち始めたビギナーさんに興味を深めるために、どう見せていくか。情報の収斂化とカジュアル化という相反するものを、どう舵切りしていくかが一番難しいです。突きつめていく作業は実はそれほど難しくないんです。一直線の作業だし、自分が楽しいですからね。


理想は、「遊廓の日常化」です。知ろうと思ったときに、すぐ知ることができる、これを実現したい。遊廓の歴史は民衆史、郷土史の一部でもあると思うからです。


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このときは阿部定事件をモチーフにしたグッズのポップアップストアが開かれていました。


■カストリ書房に訪れる人たち

書房に来る人7割は30代前後の女性です。本を買って帰るのも女性、男性は何も買わないで帰る方が多いです。女性なのに遊郭に興味を持つのかと不思議がる人がいますが、女性だから興味を持つのだと思います。遊郭で働いているのは女性なわけですから、女性に女性が興味を持つのは当然です。

外国の方はあまりいらっしゃいません。いらしても日本語だけなので敷居が高いと思います。フランスの雑誌で取り上げられたため、それをご覧になっていらっしゃる方もいますが、春画と遊郭の差が分かっていないように思われます。外国の方にもぜひ来て欲しいと思っています。


■SEEXを終えて

遊廓の情報を伝えるための実践的な場として本屋を選択した渡辺さんの長期的な視野に、遊郭への深い愛を感じました。言葉が浅くなってしまうのですが、自分が理想とする「遊廓」ではなく、土地や人に根差した生の遊廓をしかと継承していきたいというその事実への誠実さに崇高なものを感じます。

これが作りこまれたおっさんの冗談を連発する、Twitterにいる渡辺さんと同一人物だなんて(笑) 熱い思いとお茶目さが同居するめちゃくちゃカッコいい大人だなと思いました。絶対モテるな…(イロタカ個人の見解です)

今回のSEEX参加者は興味関心の異なる人々が集まっていたのですが、知的好奇心が旺盛な方ばかりで、その後の自由時間は本を片手に思い思いの話を繰り広げていてそれぞれ新しい気付きを得られたようでした。ハイレベルな知の交流でした、尊い…最高…渡辺さん本当にありがとうございました。



カストリ書房
営業時間:11〜18時 定休日:月(祝日は営業、臨時休業あり) 〒111-0031 東京都台東区千束4-39-3 ※駐車場なし(近在にコインP有
http://kastoribookstore.blogspot.com/


こんにちは、イロタカです。
7月の性を探求する場性を探究する場SEEX 08は、新宿区立歴史博物館見学を実施しました。




■新宿区立歴史博物館選定理由
「性を探求する場でなぜ新宿区立歴史博物館?」という声が聞こえてきたのですが、理由があります。
今年の2月に実施したSEEX 04 アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館wam 見学にて特別展「日本人『慰安婦』の沈黙~国家に管理された性」を見てきたのですが、この展示では国が売春を管理していた公娼制度についての細かな調査結果が展示されていました。その中に、新宿の赤線・青線地帯の地図もあったのです。この赤線青線が引かれた新宿の地図を見て、新宿の歴史は性の歴史そのものだなぁと思いました。実際、こんな本も出版されています。新宿 「性なる街」の歴史地理 (朝日選書)

そこで新宿の歴史を取り上げている博物館を探したところ、見つけたのが新宿区立歴史博物館です。区立の歴史博物館なら、きっと性的な部分は省かれているに違いないと思っていたのですが、ムーランルージュ新宿座の展示があるということがわかったことで、少し何かそれっぽいものも出ているんじゃないかと期待もしていました。というのも私はこの時、フランスにあるムーラン・ルージュというキャバレーと、このムーランルージュ新宿座は同じようなものだと勘違いしていたのです。

ムーランルージュ新宿座が現在のAKBみたいな、会えるアイドルがいる大衆劇場のようなものだと気付いたのは、SEEX開催を決定した後のことでしたが、まぁどっちにしても何が展示されていて何が展示されていないかを確かめようということになりました。今「なつぞら」やってるし※。

※現在放送中の朝の連続テレビ小説「なつぞら」のこと。戦後の新宿を舞台にストリップ劇場やムーランルージュ新宿座の話も出てくる。

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博物館入口。バブリーな香り。


■ボランティアガイドさん大活躍
SEEXを開催した日曜日は展示を解説するガイドさんがいることが分かっていたため、ガイドは最初からお願いするつもりでいました。当日ガイドについて尋ねると、聞きたいテーマがあれば対応してもらえることを知り、ダメ元で「性に関する新宿の話を中心に見てみたいです」とお願いしてみました。

当初は戸惑っていたボランティアガイドさん。「りっしんべんの性?」と聞かれ、はい、そうです、私は性の博物館を作ろうとしている人間で、新宿ならそういう話も聞けると思ってやってきました。ここにいる参加者(この日は研究者、学生がメインでした)もそういう目的で来ていますと説明すると、「現代のことは分かりませんけど」と言いながら、縄文時代をすっ飛ばして江戸時代から説明を始めてくださいました。

結論としては性に関する展示らしい展示はなかったのですが、このガイドさんの口頭での説明のおかげで、とても充実した時間となるのです。


■性を省いた展示から性を読み解く
「新しい宿」と書く新宿は、新しくできた宿場町という理由で名づけられたそう。一通り江戸幕府や中屋敷の話を聞いたのち、ガイドさんに促され、江戸時代の新宿(内藤新宿)の復元模型を眺めると、大きな通り(甲州街道)に門があるのを確認できました。
「夜の間この門は閉じられており、町の外に出ることはありません。宿ではやることがありません。お侍さんがたくさんいます。となると?」と言われ、あー!性風俗が発展しますねと言ったところ、「この宿には飯盛り女※がいたんです」とそこから展示には書かれていない説明がスタート。

宿場でご飯をよそう仕事をする女性。暗黙のセックスワーカー。

展示されている絵や地図などをもとに、他人の妻を寝取った男の言い伝え(歌舞伎になっているそうなのですが名前を失念)や、望まない妊娠によって生まれ、殺された赤ちゃんが祀られたお寺(常円寺)の存在、ガイドさんが幼いころに見た着物を着た妖艶な男性の話など、書かれていることに書かれていないことが織り交ぜられながらガイドさんの話は進みました。

私は新宿の歴史を知らなかったため知らないことだらけでしたが、ガイドさんに加えてSEEXの参加者(研究者や新宿の住民)による説明が入り、それぞれが新しい発見をする見学会となりました。とてもぜいたくな時間でした・・・


■博物館はモノだけを展示する場ではない
先月、新潟で開催された全日本博物館学会に参加し、ようやっと博物館関係者とのつながりを持てたのですが、そこで出会った方に「博物館は物を展示するだけではない」と言われました。無形文化遺産のように、モノではないものの収集、展示というものについても考えるというのが国際的な博物館情勢の傾向だと。それは例えば原爆被害者の語りや、失われつつある舞踊であると。セックスミュージアムはそういうものも考えていくべきだと。

正直、そこまで今は手を広げられないとそのときは思いました。わかるけれど、モノも何があるのか、どこにあるのか、誰が持っているのか、まだ調べている段階だし、そのようなことは研究者の方でやってほしいと思ったのです。

今回のボランティアガイドさんを通じて見えてきた新宿というのは生き生きとしたもので、モノであった展示物にガイドさんが命を与えたようでした。博物館というモノが主役の劇場に、語り手が登場した感覚です。展示と語り手、両者があることで生まれるものの大きさを知った今、この先取り組みたいこととしてモノではないものの情報収集も入れたいと思ったのでした。








性を探求する場 SEEX 10
 
セックスミュージアム設立準備委員会主催、8月の性を探求する場SEEXは、カストリ書房見学です。
 
カストリ書房は遊廓・赤線・歓楽街といった遊里史に関する文献資料を専門に販売する書店です。
それまで幻とされてきた『全国女性街ガイド』の発掘・復刻や、新刊として全国の旧遊廓・赤線地帯の街景と室内を撮影した写真集『遊廓 紅燈の街区』を個人制作されるなど、取材から販売までを手掛けていらっしゃいます。
 
「…私が好んで止まない「遊廓・赤線」というテーマに対して、私ができ得る(かもしれない)最大の貢献として、調査にとって有用となる文献の発掘と復刻をすることにしました。個人単位では到底さばききれない調査対象数があり、研究者でもなく研究組織に属さない自分では組織化も難しい。ならば、自分が有用な文献を復刻し、それを届ける。文献を手に入れた方達が、これまで以上の調査が可能になることを期待しました。(なによりもこれまで以上に「楽しい調査」となることを期待しています)」(カストリ書房公式サイトより引用)
 
セックスミュージアム設立準備員会は現在、SEEXという機会を通じて日本にある性に関する資料展示の現状を調査していますが、資料保存の大変さを分かっているだけにこの文章を読むだけで胸が詰まります…尊い…(代表個人の見解です)。
 
吉原遊郭をめぐるガイドツアーやギャラリー運営もされているカストリ書房さんそのものについて、資料室見学を中心にいろいろお話を伺えたらと思います。
 
参加希望者はFacebookで参加表明をするか、個別にご連絡ください。

 
日時: 8月31日(土) 13:00-15:00(時間は変更の可能性があります)
集合場所: 参加希望者に個別に提示
参加費: 追って記載します
定員:9名(定員になり次第募集終了)

カストリ書房


facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/337540400493955/




また、今回はSEEXとは別でカストリ書房さんのガイドツアーについても参加希望者を募ります。
こちらはツアー参加費のみです。SEEXが定員になってもこちらは参加可能です。
8/27までにご連絡よろしくお願いします。

【吉原遊廓】日本唯一の遊廓専門書店長と歩くディープ街歩き 割引券付!

こんにちは、イロタカです。
6月の性を探求する場性を探究する場SEEX 08は、現在国立科学博物館で開催中の「大哺乳類展2ーみんなの生き残り作戦」見学を実施しました。

※動物の性器の写真が出てきます、ご注意ください。
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■SEEX初の理系展示見学
ニューヨークのMuseum of Sexで見た動物の性行為の写真展示がずっと心に残っていた私は、日本で動物の性を扱う展示がないかいろいろ探していました。ただ、なかなか性についての展示というのは見つからず・・・。ある日偶然「大哺乳類展で性器が展示されている」というツイートか何かを見つけたことにより、急きょ大哺乳類展の見学会開催を決定しました。



■セックスミュージアム的注目ポイント
9年前に開催された特別展「大哺乳類展 陸のなかまたち/海のなかまたち」の第二弾として開催されている本展のテーマは「生き残り作戦」。この企画展にはセックスミュージアム的注目ポイントが2つありました。

展示「オスのアピール作戦」
メスヘの求愛アピールやオス同士の競争のために、角や歯をユニークな形に進化させた哺乳類の展示。雄から雌に対するもののみなのか、人間の社会と比較するような説明のされ方がしているのかなど、求愛行動の説明はどうなっているのかを検証してきました。

展示「命をつなぐための工夫」
生息環境に適応した結果、生殖器にも自分のコドモを残すための手段が進化した哺乳類の展示。陰茎骨と子宮の実物展示、胎盤と子宮の説明について見てきました。
みどころ6 命をつなぐための工夫 大哺乳類展2



■オスのアピール作戦
雌雄で形が違う角や歯の展示。実際に飾られている角や歯を持つ動物の動く映像もありました。角なんかはオブジェとして壁に飾られているものを見慣れているせいか、個人的にインパクトはなく・・・(そのために写真も残していませんでした、すみません



■命をつなぐための工夫
当初はペニスの中にある陰茎骨の展示や、子宮のイラスト展示だけかと思っていたのですが、これが意外といろいろありました。

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これは豚の子宮。
当然のことですが、豚にも人間の女性と同じように子宮があるんだなと、哺乳類としての仲間意識を持ちました。








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これは豚のペニス。
子宮の形に合わせてらせん状になっています。
ペニスというのは子宮の形に合わせた形状になっているんだと気付かされます。
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アナウサギの子宮、周りに胎児もいます。あの小さい体にこんなに赤ちゃんを抱え込むのかと思うと、アナウサギのお母さんが神々しく思えてきました。


陰茎骨の写真はガラスにいろんな方の顔が写りこんでしまっていたので、載せないでおきます。是非直接見に行ってください。



■気になった点
このような展示が見られて本当によかった!展示にこぎつけて下さった方々本当にありがとうございます!という感謝の気持ちでいっぱいの一方で、少々気になる点もありました。


1.説明する気があまり感じられない
「命をつなぐための工夫」の性器展示ですが、それまでの展示に比べて説明が小難しく感じられました。例えばこちらは「歯やあごを見比べ」という展示にある説明です。
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そこまで難しい言葉がない、子どものことも考えられた説明という印象です。
これが「命をつなぐための工夫」になると・・・
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急に難しくなっていませんか・・・?
実際、こどもは見ても分からないので、この後ろにあった「コドモの生き残り作戦」という剥製展示に流れていました。大人は結構しっかり見ていたのですが、その情報がこどもに共有されている様子はありませんでした。


2.性別役割規範に対する疑いの余地なし
こちらは見学会参加者の指摘だったのですが、メスが育て、オスが獲物を取るという役割であることを言い切っている説明があったとのことでした。確かに種の繁栄を目的とした場合の戦略としては断言できるのかもしれないけれど、人間にこれを当てはめて考える人が出てくるんじゃないかという懸念がありますという指摘は、博物館展示の難しさを考えさせられるものでした。

私がニューヨークで見たMuseum of Sexの動物の展示は性行為に焦点を当てており、亀のマスターベーション、ライオンのオス同士のセックス、蛇の乱交といった、生殖に直結しない写真展示がありました。

「生き残り作戦」がテーマの大哺乳類展2と、Museum of Sexで扱われる性のこの大きな違い。何がどのような目的の元に展示されていて、そこにストーリーを与えられているかは、注意して見る必要がありますね。


3.大哺乳類展の後の先行研究
国内初のシロナガスクジラ漂着個体の展示が大哺乳類展2の後にあったのですが、ここでクジラのペニスを確認。性別を確認するために、性器を見る作業の説明だったのですが、肉体から切り離されていないペニスはここではじめて確認しました。本当にこそっと展示しています。
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大哺乳類展2の見学を通じて、こどもを意識した博物館の展示において性をとりあげることのデリケートさを感じさせられました。あえて説明しない、でもこっそり展示する、これが性を取り上げるうえでの現時点の妥協点だったのかなと思います。

去年同館で開催されていた「人体の神秘展」では、人間の性は受精以降の話しか出てこず、実物の展示も胎児のみでした。まだ動物の方が、これでも踏み込めたんだと思いました。



大哺乳類展2は今週16日まで開催です!!是非本物を見てきてください。



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性を探求する場 SEEX 09

セックスミュージアム設立準備委員会主催、7月の性を探求する場SEEXは、新宿区立歴史博物館見学です。

新宿の歴史について旧石器時代から現代までを展示している新宿歴史博物館。常設展示では昭和初期、急速に発展した新宿駅周辺の風俗や娯楽と、そこに集まる人々の日常生活を、時代相も含め展開されています。そこには現在NHKにて放送中の朝ドラ「なつぞら」にて言及されているムーラン・ルージュ新宿座の展示も!
区立博物館での風俗や娯楽がどのように歴史として展示されているのか探っていきたいと思います。



参加希望者はFacebookで参加表明をするか、個別にご連絡ください。
  
日時: 7月7日(日) 15:50-17:30
集合場所: 参加希望者に個別に提示
参加費: 一般 800円(入館料300円+運営費500円)
    学生 300円(入館料のみ)


facebookイベントページ

こんにちは、イロタカです。
5月の性を探求する場性を探究する場SEEX 07は、男根神輿が町中を練り歩く、かなまら祭りで有名な金山神社の資料室、若宮八幡宮郷土資料室内の金山神社資料室見学を実施しました。

※性器を模したモニュメントの画像が登場しますので、ご注意ください。



■金山神社とは

鍛冶の守護神であるカナヤマヒコ(金山比古)、カナヤマヒメ(金山比売)を祀る神社。
もとは川崎大師駅東踏切付近にありましたが、大正時代に現在の若宮八幡宮境内に遷座しています。(そのため、社そのものは古くないです。)
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金山神社の絵馬掛所。奥に見える黒い建物が社。



■カナヤマヒコとカナヤマヒメ

日本神話の女神イザナミは火の神カグズチを出産した際にヴァギナに大火傷を負い(恐ろしい…)、病床に伏せっていました。そのとき吐いた吐しゃ物から産まれたのが、金山神社で祀られているカナヤマヒコとカナヤマヒメです。産まれたカナヤマヒコとカナヤマヒメは、苦しむイザナミを看病しました。

もとは鍛冶の守護神であるカナヤマヒコとカナヤマヒメですが、この伝説により、お産、下半身の病気の守護神とも言われるようになりました。

以前は川崎の宿場で働いていた飯盛り女たち(※1)からお金を造る神、性病除けの神として信仰されていたそうです。現在は子授け、夫婦円満、商売繁昌の神として全国から信仰を集めています。また 祭の神として鉄工関係の会社や金物店等の信仰も厚いです。

※1 宿場で働いていた私娼。表向きはウェイトレスをしながら非合法にセックスワークにも従事していた。

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安産祈願の絵馬

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川崎市の金属加工会社による奉納品。


男根の神輿を担ぐかなまら祭りのイメージが強かったのですが、こうして神社にフォーカスしてみると、なぜヴァギナではなく、ペニスを担ぐお祭りをしているのか、少し不思議に思います。
そのあたりのことは Wikipedia で確認していただくとして、肝心の資料室の話に入りたいと思います。

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 かなまら祭りを生み出した金山神社の信者組織「かなまら講」によるエイズ除け祈願



■金山神社資料室

金山神社資料室は境内のお守りなどが売っている事務室の2階にあります。閉まっている日もあるようなので、事前に電話で予約してからの訪問がおすすめです。なお、写真撮影は許可されていません。
漁具や海苔養殖具が展示されている若宮八幡宮郷土資料室を進んだ先に、資料室はあります。

塚本昇氏個人のコレクションを中心に、現在までに奉納された書物約1,000点、物品約2,000点が展示されています。世界各地のエロティックなお土産品から、川崎市ゆかりの企業からの奉納品、塚本氏がおそらく残したと思われる日本全国の性に関するお祭りのフォトアルバム、昭和の性に関する出版物などがずらりと並べられています。

人知れず存在する濃厚な所蔵品の数々に、ため息が出ました。無事後世に受け継がれることを願ってやみません。


参考URL
市内博物館・美術館情報 若宮八幡宮郷土資料館(金山神社資料室)2019/5/30参照
http://www.city.kawasaki.jp/880/page/0000000155.html

金山神社 (かなやまじんじゃ) 神奈川県神社庁 2019/5/30参照
https://www.kanagawa-jinja.or.jp/search_dtl.php4?jid=5&cd=1201005&scd=001&npg=1


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%B1%B1%E7%A5%9E%E7%A4%BE_(%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E5%B8%82)#cite_note-5


金山彦神 Wikipedia 2019/5/30参照
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%B1%B1%E5%BD%A6%E7%A5%9E

金山彦神・金山姫神-古事記と日本書紀の神様 | 日本の神様辞典 2019/5/30参照
https://yaoyoro.net/kanayama.html



■金山神社資料室の保存状況に関する一連のツイートに対する謝罪と、所蔵品ボランティア募集の取りやめについて

資料室見学後、後世へ資料を残すための資料保存ボランティアを金山神社様に申し出たところ、話を進める方向で合意を得ることができました。合意を得ることができたという認識でいましたが、神社側から同意はなかったというご抗議を受けましたため、修正いたします(8/18修正)。

しかし、その後の私どもの資料室に関してのTwitter上での情報発信に対し、金山神社様から「学芸員も入っており、適切な運営をしてるにも関わらず、劣悪な運営のように書かれて心外である」という旨のご抗議とツイートの削除の御要請をいただきました。また、これによりボランティアの話も取りやめとなってしまいました。 ( 一連のツイートに対する謝罪はこちら )


所蔵品の価値とともに資料室の状況を伝えたいという思いでこちらに悪気はありませんでしたが、結果として世間を騒がせ、金山神社様の誤解を招き、申し訳ありませんでした。





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性を探求する場 SEEX 08

セックスミュージアム設立準備委員会主催、6月の性を探求する場SEEXは、現在国立科学博物館で開催中の「大哺乳類展2ーみんなの生き残り作戦」見学です。

9年前に開催された特別展「大哺乳類展 陸のなかまたち/海のなかまたち」の第二弾として開催される本展のテーマは「生き残り作戦」。
その中でも展示「オスのアピール作戦」での求愛行動、「命をつなぐための工夫」での性器がどのように紹介されているかについて、調査したいと思います。

参加希望者はFacebookで参加表明をするか、個別にご連絡ください。
  
日時: 6月8日(土) 16:50-20:00
集合場所: 参加希望者に個別に提示
参加費: 一般 1,500円(チケット代1,000円+運営費500円)
    学生 1,000円(チケット代)
定員: 10名

大哺乳類展2

facebookイベントページ
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