セックスミュージアムができるまで

セックスミュージアム設立準備委員会ブログ

セックスミュージアム設立準備委員会ブログ。
性の研究を社会に還元する博物館を通じて性の健康を享受する社会を目指しています。 Committee for Preparation of SEX MUSEUM JAPAN

こんにちは、イロタカです。
先月の
性を探求する場SEEX04は、アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館wamに行ってきました。


2月17日まで開催されている特別展「日本人『慰安婦』の沈黙~国家に管理された性」がメインだったのですが、参加者とみっちり5時間弱かけて展示を読み解いてきました。明治時代以降に売春を国の管理の下に置いた公娼制度と慰安婦、戦後の話が丁寧に調べられており、とても興味深かったです。



「慰安婦」と言うと外交問題のイメージになってしまい、ちょっととっつきにくいと思うんですが、今回の特別展「日本人『慰安婦』の沈黙~国家に管理された性」は公娼制度を軸に話が展開されていたため、以下の人たちが見るのが面白いんじゃないかなと個人的に思いました。

1 セックスワーカー
性が職業になっていく課程が見られる。国の思惑で禁止と許容を繰り返す。

2 アングラ界隈
国による性の管理について考えられる。

3 医療関係者
性感染症予防の観点から国による性の管理に加担する医者が出てくる。

4 警察、自衛隊関係者
 警察と軍隊が仲悪い様子が見られる。


また、話題に上がりにくい日本人慰安婦についての展示ということで、世界各国日本各地に派遣された日本人慰安婦の話も、とてもよかった。敗戦国日本の慰安婦は、戦勝国の慰安婦より深い沈黙を強いられているというのがひしひしと伝わってきました。


ガイドをされていた資料館の方に、慰安婦問題について関心を持たれにくいことや、この沈黙についての原因について考えを伺ったところ、「性の語りづらさ」を言われました。これは私にとってはちょっと意外でした。

慰安婦に限らず、性について取り組む人たち全てが言う「性の語りづらさ」。何がそれを生み出しているのかに想いを馳せつつ、性に関して取り組んでいる人たちが同じ思いを持ち合わせていることによる問題の大きさを実感するのでした。






3月の性を探求する場SEEXは、6年おきに実施される「青少年の性行動全国調査」で知られる日本性教育協会の資料室見学です。国内外の性教育・性科学等に関する文献資料約50,000点を収蔵している資料室を是非見てみましょ


性を探究する場SEEX 05

日本性教育協会(JASE)資料室見学

3/5(火) 13時-15時

参加費:参加費500円※、学生無料

日本性教育協会 資料室 https://www.jase.faje.or.jp/pub/archive.html

※セックスミュージアム設立準備委員会の運営費とさせていただきます。
参加希望者はご連絡ください、詳細をお伝えします。


ずっと行きたかったのですが、平日しか開いてないのでなかなか行けず。私が楽しみ笑

こんにちは、イロタカです。
性を探求する場SEEXでHIVコミュニティセンターakta見学に行ってきました。
去年からaktaのボランティアに参加していたのですが、今回の見学でaktaの魅力にあらためて気づき、大興奮しました(笑


aktaとは
アジアでも最大といわれるゲイタウン新宿2丁目にある
HIV/エイズをはじめとしたセクシャルヘルスの情報センターです。
そして、どなたでもご利用いただけるオープンスペースです。
バーやクラブ、ショップなどの情報、セクシャリティの事やLGBTの情報、
メンタルヘルスやドラッグなど依存症の情報などもあります。
もちろんHIV/エイズの最新情報や検査の事、
またHIV陽性者やその周りの人たちの手記集に触れることもできます。



aktaに貼られているポスター(去年撮影)



ちょっと分かりづらい場所に位置するakta、行くと毎回いろんなリーフレットを手に入れることができます。今回はコンドームを使う100の方法が記載されている「the 100 ANSWERS」をゲット。
IMG_0567
コンドームをスムーズにつけることは男女間でも大事な話だよね


aktaはただ啓発センターとして施設を運用しているだけでなく、2丁目のバーにコンドームを配布するデリバリーボーイズという活動を通じて街とつながったり、センターを通じて得た知見を研究結果として公表しHIV研究に役立てています。
他にも性風俗店や教育機関といった官民を超えたハブとしての役割を担っており、男性間性行為※の当事者への包括的なアプローチを可能にしています。
(※同性愛者とは限らないためこのように記載。世にいうMSM(Man sex with Man)のこと)

前身団体、非営利団体Rainbow Ringが2001年から活動を開始していることから、17年も活動してきているakta。HIV/AIDSの歴史の重さと先人たちの積み重ねでこのようなセクシュアルヘルスの情報センターとなっているわけですが、異性愛者や女性にはなぜこのような取組がないのか、疑問に思います。
結果としてセクシャルヘルスについて言えば、男性間性行為の当事者たちの方が進んでいると言えるのではないでしょうか。

長期にわたって活動してきたaktaの過去には、助成金打ち切りによる存続の危機があり、現在は20代の来場者の減少といった長期継続団体ゆえの課題があるのも印象的でした。
これからのセクシュアルヘルスを考えるとき、日本の先行事例としてakta等のHIVコミュニティセンターから学ぶことは有意義だと思いました。

ommunity center akta
[開館時間] 16:00-22:00 [定休日] 火曜・水曜/年末年始
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-15-13第二中江ビル301
TEL 03-3226-8998 FAX 03-6380-0575
http://akta.jp/




  


次回の性を探求する場SEEXは戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館wamです。マスコミをずっと賑わし、外交問題に影を落とす慰安婦問題。性の博物館を日本に作るうえで、避けては通れない性の問題だと思っています。
マスコミではなく、資料館を通じてイロタカと一緒に慰安婦問題について考えてみませんか。
資料館訪問後はおいしいお茶でも飲んで、のんびりしたいと思います。


性を探求する場SEEX 04
アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」wam 見学
2/10(日) 13時-17時半
参加費:一般1,000円(入館料500円+参加費500円※)、学生500円(入館料のみ)
https://wam-peace.org/

資料館滞在は1時間半で、その後お茶の時間として1時間取ってあります。
参加希望者はご連絡ください。
※セックスミュージアム設立準備委員会の運営費とさせていただきます。

セックスミュージアム設立準備員会代表のイロタカです。
去年の8月より月に1回開催している「性を探求する場SEEX」について本ブログで案内していなかったため、取り上げようと思います。


■「性を探求する場SEEX」とは
そもそも「性を探求する場SEEX」のSEEXとは、SEEKとSEXを繋げてつくった言葉です。
探求

「探す」「挑む」という意味があるSEEKを用いることで、
受け身で性を学ぶのではなく、主体的に性を探求する場という意味を込めています。
辞書

■過去の内容
6名以下のワークショップで、去年の8月より月1回を目安にイロタカが開催してきました。

今まで扱ってきた内容としては下記のとおりです。
 8~10月 ノルウェーの公共放送が制作した子ども向け性教育番組の視聴
 11月 イロタカの台湾報告会
    (HIVコミュニティセンター、プライドパレード、慰安婦博物館)
 12月 性に関する博物館の世界地図 Sex Museum Around the World の観覧

イロタカ個人が共有したいと思った題材を軸に感想を言い合うスタイルでした。
参加者のスケジュールに併せて複数回開催した月もあったため、現時点で6回開催しています。参加費は一律で500円です。

ワークショップにおけるグランドルールは少しずつ変化した結果、現在は下記のようになっています。
ルール

■参加者
参加者はイロタカの友人、イロタカが性について学ぶイベントで出会った人々、Twitterで本イベントを見つけてきた方々です。
必要最低限の情報開示をした結果、セクシュアリティ、国籍、年齢、性交渉の頻度、性的価値観、職業等の背景が非常に多様な人たちが集まりました。


■SEEXの難しさ
①人を限定しないことの難しさ
参加者の背景があまりに多様であったために共感というものが起きづらく、言いたいことが言いづらくなり、題材は面白いけどディスカッションがいまいちという状況が続きました。

これはファシリテーターであるイロタカの力量不足というのもあるのですが、
参加者自身も自分と違いすぎる他人に出会うことが普段からなかったり、ワークショップ慣れしてなかったり、性について話すことに慣れていなかったりして、そういう人たちをひとくくりにしてワークショップをやることは無理があったように思います。

ディスカッションの時間を短くすると不満が出るも、ディズカッションを長くしたところで気持ち良い話し合いができるわけでもありませんでした。


②運営の難しさ
ドタキャン率の高さも悩みの種でした。
ひどいときは参加者の半数がキャンセルということもあり、少人数ワークショップには痛手でした。


■2019年 1~3月の予定
2018年の反省を踏まえ、1~3月は私が興味がある題材は引き続きとりあげるものの、場所を借りてワークショップを開催するのではなく、お出かけ形式でやってみることにしました。
キャンセル対応がしやすくなるというのはもちろんあるのですが、一緒に行ったことがない場所に出掛けることで一体感が生まれ、いろいろ話をしやすくなるのではないかという期待があります(「みんな初めて」という共通項ができるので)。4月以降はこの3月までの様子を見て判断していこうと思います。


1/20 16:00-17:45
HIVコミュニティセンターakta見学(参加者受付中)
参加費 500円 ※
集合場所 参加表明していただいた方に直接お伝えします。

今年初の性を探求する場SEEXは、「新宿二丁目の公民館」とも呼ばれているakta見学になります。
aktaでは現在イラストレーターこうきさんによる原画展も開催中。
aktaの説明後、こちらもみんなで見ようと思います。
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akta webサイト http://akta.jp/

当日まで参加希望受け付けますので、是非参加をご検討ください。
※セックスミュージアム設立準備委員会の運営費に利用させていただきます。


2月未定
戦時性暴力、「慰安婦」問題の被害と加害を伝える日本初の資料館wam見学

https://wam-peace.org/

3月平日未定
日本性教育協会の資料室見学

https://www.jase.faje.or.jp/pub/archive.html 


どれも参加者募集中です。ぜひご連絡ください!

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